利根川 赤城・綾戸の瀬
2004年8月12日 利根川 赤城・綾戸の瀬  nさん単独行記


今日は時間ができたので赤城は綾戸まで一人で行こうと思います。
・・・
簗のおじさんは、愛想よくて、
「よくここから下っていくよ。あそこ行くんだろ?大丈夫だよ。
でも、真ん中へんに大きな落差があるんだけど、そこはよく・・・
いや、大丈夫!行ってきな」
と言って去っていきました。とても気になる言葉を言い残して。

で、早速いきなり簗の瀬。崖の上から下見した限りでは行けそうでした。
全長10数メートルで勾配あり。あちこちにひとかかえ程の岩がありましたが
真ん中を通ればぶつかる心配なし。のはずだったのですが、
中盤に差し掛かったあたりから様相が変わってきました。
その時、私は鬼怒川のあの籠岩の瀬を思い出していました。まずい、
迂闊なことはできん、あっ、なんだ!なんだこりゃあああ!

・・・・

●記録(2004.8.12)
カヌーしている人なし。
釣り人なし(いや、ひとりいました。たった一人だけ)。
水量は、ポリ艇なら十分というところか。

コースは、綾戸簗からキャンプ場まで。 綾戸の簗の瀬の次にある瀬は、結構危険です。特に右岸は絶対行けません
(なぜって、そこは滝だから。写真でよく見る大歩危小歩危を彷彿とさせます)。

キャンプ場に入る瀬も、出口あたりは相当に危ないです。できれば行きたくないです
(なぜって、そこは岩だらけだから。
増水時の樋口の瀬(あのカッターみたいな滝)を彷彿とさせます)。

・・・・

夕方、綾戸の簗に一台のタクシーが止まった。
そこから降りた男は裸足のままでとぼとぼ店に向かって歩いて来るのを、
洗濯物を干していた従業員の一人が目に留めて声をかけた。
「お疲れさまですー。どうでしたか。あそこでひっくり返ったでしょう」
すると、あとからあとから従業員たちが店から出てきた。簗の主人も現われた。
「結構激流でしょう」
「みんなで見てたんですよ」
「いやー、あそこでいつまでたっても船に乗らないから怪我でもしたんじゃないか
と思ってさぁ」
「どこまで行ったんですか」
「キャンプ場まで?それって、すぐ先じゃないですか。ぷっ」
「高かったんでしょ、流した水筒って」
「まあ、始めにしくじると気持ちも萎えるよな。ははは」
「こんど来た時にはよかったらお食事でもしてから下ってくださいよ。はい、
店のパンフ」
「サンダルこれでよかったら持ってっていいですよ。使ってないから」
男は頭の後ろに手を当てるばかりで、受け答えに終始しどろもどろのようだった。
その男が帰った後、従業員達はいつもの生活に戻っていった。

彼の素性は結局知ることはなかった。

・・・・

 単独行は常に危険が伴いますね。周りに人がいないというのは
こうも心細いのかと思いました。自然が圧倒的に自分に迫ってくるのがわかりました。
畏怖という言葉も実感できたような気がします。
身の丈程度の川がいいのかもしれません。

おしまい


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